甲斐祐樹: イー・モバイル Touch Diamond
スマートフォンといえばウィルコムが代名詞だった2007年から、たった1年でスマートフォン市場は大きく変化した。イー・モバイルがWindows Mobile端末を多数ラインアップしただけでなく、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクもスマートフォンのラインナップを拡充。さらにアップルのiPhoneも日本で発売されるなど、スマートフォンの歴史に大きな変化のあった2008年だった。
中でも大きな存在感を見せたのはやはりイー・モバイル。PCに接続しても定額でデータ通信できるWindows Mobile端末を次々に投入し、派生モデルも含めると実に4キャリアから登場したHTCの「Touch Diamond」もいち早く発売。HTC端末では4キャリアが横並びになったと思いきや、デュアルキーボード搭載の「Dual Diamond」も投入するなど、Windows Mobileに対する動きは実に積極的だった。
PCでも定額でデータ通信が利用でき、さらに数Mbpsを超える高速通信が可能という点ではイー・モバイル。Touch DiamondはWindows Mobile端末の中で唯一ハードウェアキーボードを備えないものの、小型の筐体はそれを十分補えるメリット。スペック面でも下り7.2MbpsやVGA液晶、Bluetooth、GPS、無線LANなどを搭載し、総合力では他機種を上回る充実ぶりだ。
メイン回線の音声端末として考えると、地下鉄付近などで電波が届かないなど課題は多いが、定額データ通信端末+アルファのセカンド回線として考えると非常にコストパフォーマンスが高い。PCを立ち上げずともSkypeやフルブラウザが利用でき、カメラや音楽機能も十分に使えるレベルだ。
サービス事業者としても、イー・モバイルは下り3.6Mbpsの定額サービスを他社に先駆けて開始するだけでなく、下り7.2Mbpsの高速化、HSUPAによる上り速度の高速化もいち早く投入するなど、サービスに対しても期待が持てる。日本のモバイルデータに大きな影響を与えたイー・モバイル、そして同じ端末が複数キャリアから登場するという新しい形を作り出したTouch Diamondを、2008年のケータイ of the Yearとしたい。
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