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2000年

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ドコモ・ドットコム 栗田穣崇さんインタビュー「iモードができるまで」Part1
平地レイ 平地レイ
1976年9月4日生まれ。乙女座。AB型。元東京パフォーマンスドール研修生。1997年には東芝EMIより「コスプレックス」としてデビュー。現在はデジタル系やゲーム系に強いタレントとして、コラムの執筆やゲームショーなどのイベントの司会で活躍中。ただいま日立のオフィシャルサイト内にて、「ひらちれのひたちれトーク2001」を連載中。著書インプレス刊「できるIモード」も絶賛発売中。ダンスとパソコンと猫が好きな天然電脳娘。


ドコモ・ドットコムの栗田穣崇さんと。大変饒舌な方で、たくさんお話を聞かせくださいました

■ iモードができてから

こんにちは、ひらちれです。前回より、iモードの開発に当初から携われた、元NTTドコモ・ゲートウェイビジネス部、現ドコモ・ドットコム所属の栗田穣崇さんに、「iモード」についてのお話を伺っています。

前編では、iモードが誕生するまでのコンセプト考案から端末の細かい設定、メールや絵文字などに関するさまざまなお話を伺い、「iモード」というサービス名称が決まったところまでご紹介しました。iモードがデビューする今回の後編では、どんなお話が飛び出すでしょうか。





“心地よい進化を目指して”

1999年2月のサービスインから丸2年。
iモード契約数は2217万件に……(4月10日時点)

プロフィール 栗田 穣崇(くりた しげたか):1972年生まれ。1995年NTTドコモ入社。2年後の1997年4月に社内公募で新事業部(現ゲートウェイビジネス部)へ配属。iモード立ち上げの段階から開発に参加する。現在はiモードコンテンツのコンサルティングを行なう、NTTドコモの子会社「ドコモ・ドットコム」所属。ゲーム、スノーボード、旅行を趣味とする28歳。


広末さんの直筆サイン入り写真を抱いて……
■ 広末涼子 初体験のiモード端末は

平地:「iモード」に名前が決まってから、サービスインするまではどのような感じだったのでしょう?

 名前が決まったあとは、コンテンツを準備する作業に入りました。松永真理さん(元ゲートウェイビジネス部企画室長)と僕とで、ゲームやカラオケ、占いなどのエンターテイメント系の企業をいろいろとまわり、企画を持ちかけました。最初はやっぱり、そんな小さい画面でゲームなんかできるの? という感じで、なかなかいいお返事はもらえませんでした。そんな中、いち早く僕らの企画に乗ってくれたのがバンダイさんでしたね。

 あと、店頭などにおいてあるパンフレット作りをしました。最初はiモードがどういうサービスなのか誰も知らない状態なので、広告代理店にも頼めず、テキストとかキャッチコピー、写真のレイアウトなんかも最初のものは自分でやりました。パンフレットの撮影時には広末涼子さんにお会いして、iモードの操作方法を指南させていただいたんですが、広末さんは携帯電話でコンテンツを見たり、メールのやりとりができるということに、単純に驚いてらっしゃいました。

平地:うらやましい……。役得ですね(笑)。ちなみに、広末さんが初めて触った端末って、どの機種だったんですか?

 「F501i」です。いちばん最初に出た機種がそれだったので。バックライトがオレンジ色に光ったりするところなんかがカワイイと、けっこうFがお気に入りだったようです。


広末涼子ちゃんの生サイン拝見。こういうものなんですね


 1999年2月のサービスインのあとは、少しずつ企画を出してきてくれる企業さんも増えてきて。この2年間は、エンターテイメント系コンテンツの企画を見て、サービスが立ち上がるまでのさまざまなお手伝いをしてきました。おつきあいさせていただいたコンテンツ提供企業さんは全部で130社くらいでしょうか。新会社に移転した現在(ドコモ・ドットコム所属)も、引き続きコンテンツのコンサルティングを担当しています。

■ 鉈(なた)のふるい方

平地:開発当初でいちばん苦労した点はどんなところですか?

 まったく新しい事業ということだったので、やはりでき得ることは可能な限り実現したいんだけれど、技術的に可能かどうかわからない場合、どこまで妥協を許せるか、取り入れるかの、一種の鉈のふるい方みたいなのに悩まされました。実際、技術的な面で今現在できなかったことが、来週になったら「できました」と技術部の人が言ってきてくれたり。開発途中にもどんどん技術は進化していきましたから。


どこまで妥協を許せるか、取り入れるかの、一種の“鉈のふるい方”に悩んだという栗田氏


■ ゆりかごから墓場まで

平地:今現在所属してらっしゃるドコモ・ドットコムは、今後のiモードとどのように関わっていかれるのでしょう?

 まず、最終的には携帯電話にすべてを取り込んでみたいんですが、でもこれだけで何もかも賄ってしまえるというわけではないです。とりあえず一通りのことは事足りるというような具合で。やはり内容によって、サービスの提供手段として携帯電話が向いてる向いてないというのがありますから。例えば、一覧性なら紙に勝るものはありません。だから雑誌というのはいつまでも需要があるわけだし。でも、Webやブロードバンドもそれはそれで進化すれば、より便利になっていきますし。だから携帯電話が全部とって代わるというわけではないけれど、あった方がより便利というようになったらいいなと思います。

 あと、よく聞かれることですが、携帯電話のセキュリティについて。もし携帯をなくしてしまっても、ドコモに電話すればすぐ止めることができて、他のケータイにすぐに情報を入れ直すこともできる。でも、例えばお財布をなくしてしまったとしたら、カード会社や銀行にたくさん電話しなきゃいけないし、お金が返ってこないこともあるかもしれない。そういう意味では、携帯はある意味とてもセキュアなものだと思うんです。「ゆりかごから墓場まで」じゃないけれど、ユーザーにとって常になくてはならない、生涯価値のあるものになればと思うわけです。

 こうして飛躍的に技術が進歩して、もっといろんなことができるようになっていくと思います。ただし、その応用性のすべてが必ずしもユーザーニーズに適合するとは限らないので、ドコモ・ドットコムとしては、その過程で心地よい進化を保ちながらサービス実現のためのお手伝いができれば、というように考えています。


他機や他サービスとの連動により、iモードで生活インフラが変わる可能性も
■ iモードの可能性

平地:次世代携帯電話「FOMA」は、やっぱり格段に進化してるんでしょうか?

 まず通信速度が速くなり、通話品質も良くなるるので、快適になるでしょう。iアプリのダウンロードも速くなりますし。今と同じ時間で送れるデータ量が増えるので、当然パケット代の課金は高くなってしまいますが、その分1パケットあたりの料金は下がるでしょう。まだその辺はちゃんと決まっていませんが、とにかく同じサービスであれば現状よりも安く提供できるようになると思います。

 コンテンツについては、そんなに急激に進化するというワケではないんです。iアプリも、FOMA端末だけすごい進化させても現行端末と共有できなくなりますし。個別に用意しても、お客様にしたって混乱するだろうし。動画は、それ単体でのサービスという感じではなく、例えばニュースコンテンツにちょっこっと動く画像が付くとか、プラスアルファの要素としてまずは登場するでしょう。

 他機や他サービスとの連動では、プレイステーションとの連動がもう始まってますし、あとはコンビニとの連動というのもあります。アイ・コンビニエンスという会社も設立され、今一緒に企画を進めてますが、iモードでいろいろお買い物ができるようになりBluetoothにも対応したら、もっと便利になってiモードで生活インフラも変わると思います。

■ 自分の子供のように

平地:TCAの発表によるとこの3月末時点でiモードの契約数は2100万件ということですが、メールではご自身で考えた絵文字などがパケットとして日常的に飛び交ったりしていて、ご自分が当初から係わられた事業が、今このように世間に普及・浸透していることに対し、どのような感慨をお持ちですか?

 正直言ってまだまだ客観的な感じで、実感は湧きません。iモード立ち上げも大変だったけど、サービス開始後もどんどん企画に乗ってきてくれる企業さんが増えてきたので、仕事量的にも大変だったし。今後はiモードにとどまらず、カーナビとかコンビニとかの連携事業も進んでいて、常に先へ先へと走り続けてる感じなので。……そうですね、きっと定年とかで仕事を辞めて、走るのをやめた時に、初めて主観的な視点から達成感みたいなものも感じられるかもしれませんけど。ただ、今でもiモードは自分の子供のようにかわいいです(笑)。


3月29日 山王パークタワー
ドコモ・ドットコム オフィスにて

■ 栗田さんの情熱に打たれて……

 さて、前後編に分けてお送りしました、iモード開発当初の「誕生編」と、今回の「実用編」、いかがでしたでしょうか? とっても興味深いお話がたくさん伺えて、最後の方には栗田さんの仕事に対する情熱にも、少々打たれるものがありました。

 ひらちれ的には、最後にちょっと伺ったアイ・コンビニエンスの話がとても気になります。今は現金を持っていない人はいないけど、現金を持ち歩かなくてもケータイがあればコンビニでお買物できるようになる時代がそう遠くない未来に実現するのかもしれないなーなんて。

 ケータイを便利な方向に進化させつつも、機能やユーザーインターフェイスをいきなり格段に進化させてしまうと、返って操作も難しく複雑になってしまうので、ある程度の使い心地は保ってより便利にお客様に提供していきたいという、「心地よい進化」というあたりが、とても感慨深かったです。本当に、これからのiモードをはじめとする携帯電話の可能性が楽しみ!

 では、また来週~。ひらちれでした。またね!

(聞き手:平地レイ/文責:編集部)

※お知らせ※

この取材の模様が、4月12日(木)の23:20よりインプレスTVにてオンエアされます。どうぞこちらも合わせてご覧下さい(放送日以降も、オンデマンド放送でご覧いただけます)。




★★★ 読者プレゼント ★★★




 今回は、ドコモ・ドットコムさんより、まだ初々しい頃(?)の広末ちゃん写真があしらわれたクリアホルダー(よく見ると、ポケベルやインフォネクストのロゴが入っていたりします)など、NTTドコモさんのノベルティグッズを数種類いただきました!!


 上写真のクリアフォルダーマウスパッドストラップ(液晶画面クリーナー付き)、ミラー(写真右側のカード状のもの)の4賞品を1セットにして、合計4名様に抽選でプレゼントいたします! ただし、広末ちゃんのクリアフォルダーについては種類を選べませんのでご了承ください。


 ご希望の方は、件名に「ドコモグッズ」、本文にお名前を記入したメールを、「k-tai-present@impress.co.jp」宛にお送りください。締切は4月15日正午。当選者発表は、次回のコーナーで行ないます。たくさんのご応募、お待ちしていますっ!




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「iモードができるまで」~Part1:iモード誕生編~
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(平地レイ)
2001/04/12 00:00

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