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ドコモの「@FreeD」徹底レビュー
スピードテスト編

P-in Free 1S(左)とP-in Free 1P
比べてみるとわかるが大きさがかなり異なる。1Sの方はCF Type IIのサイズだ
 NTTドコモのPHSによる定額データ通信サービス「@FreeD」は、64kbpsの回線交換方式がベースになっており、モバイラーにとっては、定額制サービスで先行するAirH"との違いも気になることだろう。前回の料金比較に続き、今回は、現在ラインナップされている2つのCFカード型端末、「P-in Free 1P」(パナソニックモバイルコミュニケーションズ製)と、「P-in Free 1S」(シャープ製)を使ってスループットを検証する。

 今回のテストには、スピードテストサイト「BNR スピードテスト」と、弊社オンラインソフト情報サイト「窓の杜」のFTPサーバーを利用した。時間帯によるスループットの影響や、経由するプロバイダーのトラフィックの影響を明らかにするため、ドコモのmoperaと@niftyを使用し、それぞれ朝8時から翌日明朝4時まで、4時間ごとに10回ずつテストを行ない、その平均値を割り出した。なお、テストには低電圧版モバイル Pentium III 866MHz、メモリ384MB搭載のB5ノートブック「Let's Note R1(CF-R1NCAXR)」を使用した。

@FreeD対応端末
品名 発売元 備考 店頭価格
P-in Free 1P パナソニックモバイルコミュニケーションズ製 - 5,800円
P-in Free 1S シャープ製 DoPa
(携帯電話接続時)
音声通話
(パソコンなど接続時)
8,800円
※価格は2003年4月22日現在のもの


HTTP通信のスループットは50kbps前後

今回のテストには松下製のB5ノートパソコン、「Let's Note R1(CF-R1NCAXR)」を使用した
 一般ユーザーのインターネットアクセスでもっともトラフィックが多いのはHTTP通信だろう。外出先でのWeb閲覧を目的にPHSカードを購入するユーザーも多い。これから@FreeDを導入しようかと検討している人にとってはもっとも重要な部分だろう。

 結論を先に記すと、すべての時間帯でおおむね50kbps前後で、十分実用的な体感スピードだと感じた。もちろん、Mbpsクラスのブロードバンド環境に慣れているユーザーにとっては、スペック的にも、体感的にも相当な差があることはおわかりいただけると思う。

 PIAFS2.0の最大64kbpsという通信速度(実効速度58.4kbps)と比べると、だいたいその78%(同86%)くらいの実測値を記録したことになる。以前、AirH"の128kbpsパケット通信のテストでは、およそ6割ぐらいだったことを考えると、十分なパフォーマンスといえるのではないだろうか。

 内容を詳しく見ると、P-in Free 1Pでmopera経由時の平均値が47.22kbps、@nifty経由時で51.09kbps、一方のP-in Free 1Sでは、mopera経由時51.89kbps、@nifty経由時で52.01kbpsだった。

 @FreeDでは、回線交換で接続し、一定時間通信がなかった場合に自動的に回線をスリープ状態に移行させるドーマント方式を採用しており、接続中は64kbpsの回線を占有できる。このため回線品質は非常に良好だ。今回使用したBNR スピードテストでは、WebARENA、WAKWAK、ASAHI-Netの3つのサーバーに接続して速度を計測する方式を採っている。6つの時間帯で10回ずつテストし、さらに2つのプロバイダで実験したので、合計360回もの通信が行なわれた計算になるが、この間、接続中のスループットの乱れや切断、パケットロスなどの現象はまったくみられなかった。また、時間帯による差も誤差程度で、現在の段階ではトラフィックに余裕があることも窺わせる。

 なお、体感速度については、とくにWebブラウジングにおいて数値以上に速いと感じることが多かった。スピードテストでは、データが流れ始めた時点がスタートのタイミングとなるが、実際の使用においては、相手先のサーバーにリクエストを出した瞬間からユーザーは「待たされる」ことになる。@FreeDでは、このリクエストを出すレスポンスが非常にきびきびしており、リンクをクリックした場合にすぐに相手先のサーバーにつながる感覚が得られるのである。あくまでも個人的な感覚を基にした推測だが、これも通信方式が回線交換ベースであることが大きいのではないだろうか。

 端末には若干の差が出た。mopera経由時でおよそ4kbps、@nifty経由で1kbpsとわずかながらシャープ製のP-in Free 1Sの方が上回った。サンプルごとの数値のバラツキもP-in Free 1Sのほうが少なかった。

 ただし、2台をじっくり比べてみると、1Sではドーマントから接続状態に復帰する場合のレスポンスが1Pに比べて悪くなることがしばしば見受けられた。また、東名高速道路において移動中での接続性を検証したところ、1Pの方がハンドオーバーに失敗することなく、電波補足状況がよかったことを付記しておく。

HTMLスピード mopera編(kbps)
セッション 8時 12時 16時 20時 24時 4時 端末平均 トータル平均
P-in Free 1P 46.47 48.02 49.35 47.79 46.04 45.67 47.22 49.55
P-in Free 1S 51.76 52.10 51.56 51.97 51.57 52.35 51.89
平均 49.12 50.06 50.46 49.88 48.81 49.01 -

HTMLスピード @nifty編(kbps)
機種 8時 12時 16時 20時 24時 4時 端末平均 トータル平均
P-in Free 1P 50.78 47.55 52.49 52.15 52.33 51.24 51.09 51.55
P-in Free 1S 51.82 52.50 51.87 51.70 51.62 52.55 52.01
平均 51.30 50.03 52.18 51.92 51.98 51.90 -



FTP通信は55kbps

 次に、スループットがサーバーの状態に影響されにくいFTPプロトコルで実験してみよう。弊社「窓の杜」のFTPサイトから定番エディタ「秀丸エディタ 3.19」をダウンロードし、その速度を計測した。使用したFTPクライアントはフリーソフトの「FFFTP」だ。

 FTPのプロトコルの性質上、HTTPによる通信よりもよい結果が出ることはあらかじめ予想されたことだが、結果はやはり、トータル平均速度で約55kpbsと若干HTTPを上回るものとなった。時間帯ごとの結果も特定の傾向を示すものはなく、誤差の範囲内といったところ。HTTPと同じく、64kbpsの回線の実力を十分に出しているといえる。

 細かい数字を挙げると、P-in Free 1Pでmopera経由時が53.81kbps、@nifty経由時で54.87kbps。P-in Free 1Sでは、mopera経由時55.36kbps、@nifty経由時で55.77kbpsだった。

 HTTP通信のテスト時と同じく、1Sの方がスループット値が上回る結果となったが、その差はわずか1kbpsほど。よほど気になる人でない限り、これは購入する際の比較の材料にはならない差だろう。スループットはほぼ同じと考えて、別の付加機能やスペックで判断した方が賢い選び方だ。

 実験サンプルの質も非常に安定していた。端末、プロバイダごとそれぞれ60回、計240回のテストが行なわれたが、すべてのサンプルがプラスマイナス1kbpsの範囲内に入っている。あくまで現在のところ、という話だが、HTTP通信にも同様、アンテナマークが3本で、かつ静止状態であれば、まず通信をリセットされるようなことも、突然速度が落ち込むようなこともないだろう。

 なお、テストに使った秀丸エディタ 3.19の容量はおよそ711KB。ダウンロードにかかる時間はだいたい1分40〜50秒くらいだ。もちろん、待てる時間には個人差があるだろうが、1〜5MBくらいのファイル転送ならば十分、@FreeDで事足りるだろう。

FTPダウンロードスピード(kbps)
機種
接続先 8時 12時 16時 20時 24時 4時 端末平均 全体平均
P-in Free 1P
mopera
54.47 54.42 54.45 52.88 52.82 53.80
54.34
54.83
@nifty
54.42 55.27 54.61 55.18 55.33 54.42
P-in Free 1S
mopera
55.25 55.25 54.69 55.38 55.80 55.90
55.32
nifty
54.44 55.50 54.68 55.33 55.86 55.77
時間帯平均
54.65 55.11 54.61 54.69 54.95 54.97
-



まとめ PIAFSの接続と感覚的にはほとんど同じ

 これまで、HTTP、FTPと@FreeDのパフォーマンスを検証してきたわけだが、今回のテストを通じて体感したことは、「PIAFSとほとんど同じ」ということだ。ドーマント方式、という聞き慣れない通信方式が気にかかっていた方は心配ご無用と言いたい。もちろん、ドーマント移行時から再接続するにはおよそ5秒ほどの時間がかかるわけだが、携帯電話やPHSでのインターネット接続に慣れた人にとって、このくらいのタイムギャップはほとんど違和感を感じない範囲だろうと思う。

 どうしても狭義の「常時接続」にこだわりたいという方にもやや裏技的だが方法はある。自動メールチェックの間隔を狭めればいいのだ。ドーマントに移行するタイミングは無通信時がおよそ1分続いた頃だ。これに合わせて、お使いのメールソフトの自動チェック間隔を「1分」にしてやると接続が維持できるというわけだ。

 ただし、ドーマント方式には、端末を使用しているノートパソコン、PDAのバッテリを節約するというメリットがある。この効果を検証するため実験に使用したノートパソコンで比較してみた。

 バッテリ持続時間はパソコンの諸条件や室温などいろいろな条件が重なるため、あくまで参考データとしてご認識いただきたいが、フル充電、周辺機器なし、LCDの輝度などすべての省電力設定をデフォルトにした場合、自動的にWindowsがスリープ状態になるまで4時間38分だった。一方、P-in Free 1Pを接続し、ドーマント状態、無通信のまま放置した場合で4時間17分、メール自動チェック方式で通信状態を持続させた場合で3時間39分だった。前述の通り、ドーマントからの復帰は体感的に苦痛になるほど待たされるわけではないので、よほど気にする人以外はバッテリのもちを採ったほうが賢いだろう。

 総評としては「かなり快適」と言いたい。これから、ユーザーが増えるに従ってトラフィック過多による速度の落ち込みも考えられるが、なんとかネットワークを増強し、今回のテストで記録したような50kbpsレベルの通信速度が維持できれば言うことなしだ。

 パケット全盛の今だからこそ、回線交換ベースのサービスの快適さも際だつという側面もある。回線品質の良さは今回の実験でもかなりおわかりいただけたと思う。PHSの場合、自分の行動範囲で使えるか、というエリアの問題があるが、これさえクリアできれば十分オススメできるサービスだろう。



URL
  @FreeD 公式サイト
  http://www.at-freed.com/
  BNR スピードテスト
  http://www.musen-lan.com/speed/
  ニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/03/whatnew0306.html

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(伊藤 大地)
2003/04/23 11:43

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