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MNPスタート直前、メーカー担当者の心中は?

 10月24日、いよいよ携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)制度がスタートする。当事者であるキャリアはもちろんだが、端末を開発するメーカーにとっても勝負のタイミングと言える。

 しかし、端末メーカーとしては、取引のあるキャリアとの関係もあり、MNPについてなかなか積極的にコメントしづらいのも確か。そこで、今回はメーカー各社の商品企画担当者から本音を聞き出すべく、社名を公表しないことを条件にインタビューに応じてもらった。


――MNPがスタートすると、どれくらいのユーザーが動くと思いますか? また、どんなユーザー層が敏感に反応すると見ていますか?

Aさん
 MNP開始早々に動く層を積極派だとすると、友達や周囲の人の影響でスイッチする方が全体の1%前後、キャリアのキャンペーンや好みのケータイに惹かれてスイッチする方全体の1%前後。

 誰かに進められたら動く層を推奨派だとすると、家族割引に入っており、仕事の関係で電話番号を変えられないお父さんが家族会議でスイッチを勧められて決心するというケースが全体の1%前後、会社契約で取引先との関係やキャリア営業によってスイッチする方が全体の0.5%程度。

 積極派・推奨派の合計は3.5%程度、つまり約333万人がMNPを活用するのではないかと見ています。

Bさん
 MNP自体は、ニュースやキャリアのテレビCMなどにより、一般ユーザーまで「電話番号そのままでキャリアを乗り換えられる」ということは認知されています。ただ、メールアドレスの件、有料コンテンツの件、継続利用割引の件、家族割引の件、契約解除手数料などなど、実際にキャリアを乗り換えるとどうなるのかまでは十分には理解されていないというのが実態だと思います。そうした中で、10月24日のスタート当初にMNPを利用するユーザーはかなり限られるのではないかと予測しています。

 最近のWeb調査などでは「予約を済ませた」「乗り換えたいと思っている」「状況によっては乗り換える」という回答が30%近くまであったとも報告されていますが、初期利用ユーザーはケータイ・イノベーター/アーリーアダプター層の10%くらいではないかと思います。

 また、それらケータイ好きのユーザーにおいても「現在利用しているキャリアや端末に対してどれだけ不満を持っているか」「他のキャリアや端末にどれだけ魅力を感じるか」がMNP利用のモチベーションになるので、現在の横並びのサービス&端末バリエーションの豊富さからすると、さらに少ないボリュームになる可能性もあり得ると思います。

Cさん
 昨年までの予想よりも、今年になってからは動く数は少なくなってきていると見ています。最近のアンケートなどを見ても、1〜2割程度が希望ユーザーといったところなので、これに買い替え時期や費用、欲しい機種があるかなどを考えると、すぐにパッと動く数はそこまで多くないと考えられます。ただし、次の買い替えタイミングで、と考える人はある程度いるでしょうね。

 反応するユーザー層としては、今の各キャリアのCM合戦を見ていると、auは若者、ドコモはどちらかといえば年配、ソフトバンクは新しいもの好きなミーハーな層、でしょうか。いずれにしても、決め手は料金になるかと思いますので、今の料金体系に不満があって、他に変えると安くなると思っている層が一番まじめに考えるのではないかと思います。

――MNP制度導入に向け、メーカーとして特に力を入れていることは?

Aさん
 ずばり、ケータイの顧客満足度の向上です。キャリアを変更する時に端末メーカーが変更されるケースが多いと思われるので、以前使っていたケータイよりも使い易いと思っていただけることが重要だと考えています。

 MNPを機にスイッチされる方は、長期利用を条件に格安で端末が手に入ると思いますが、端末を長期(1〜2年)利用することになるので、価格やデザインだけでなく、最新サービス対応端末で使い勝手の良い物を選んで欲しいですね。端末もサービスも発展途上にあるので、端末によって満足度が全然違うからです。

Bさん
 MNP自体は、メーカーにとってユーザーの端末購入機会の創出という意味で、プラスの制度だと思います。そのチャンスに「いかに自社端末をユーザーに選択してもらえるか」という取組みが重要と考えています。これまでもユーザーが端末を買い換える場合には「使い勝手の継承」や「データの互換性」、「メーカーの特長」を評価して同一メーカーを選択していただいている面があると認識しています。

 また、端末そのもののデザインや機能、品質などを向上させることで「メーカーチェンジをしてでも使ってみたい」という魅力付けをしていくことも重要です。「メーカーロイヤリティの強化による既存ユーザーの囲い込みと新規ユーザーの獲得」が取り組みテーマです。

Cさん
 メーカーとしては、特に力を入れることは変わりません。お客様に選んでいただける商品を作るだけなので、ライバルに負けない魅力ある商品を作ること、およびメーカーを選んでいただけるよう、商品・ブランドをお客様に伝えることの強化を意識しています。

――MNP制度の導入が決まり、キャリアの態度に変化はありましたか?

Aさん
 かなり変わったと思います。自社のサービスや機能に他社のサービスや機能も追加し、スイッチ時の物足りなさを無くすようにしているように思えます。その一方で、端末の調達価格を下げるために、メーカー間競争を激化させているようにも……。

Bさん
 従来からも独自の特長やオリジナルデザインをキャリアさんは求めていますが、その点はより一層強くなっていると思います。

Cさん
 うーん、微妙なところです。言葉としてはよく聞くようになったかと思いますが、意識されているのは、他のキャリアさんとの対抗上、みたいな視点が強まった、という感じでしょうか。

――正直なところ、どのキャリアの端末を作ってみたいですか?

Aさん
 特にありません。

Bさん
 メーカーのオリジナリティや新規取組みを受け入れてもらえるキャリアさんに対して端末を作れるのが、メーカーとしての醍醐味だと思います。もちろん、キャリアさんの姿勢だけではなく、その中での自社のポジションにもよりますが。

Cさん
 難しい質問ですが、MNPで勝ったり負けたりの影響を受けないように、全キャリアでしょうか。大変ですが、あまりキャリアに依存しないものを作りたいですね。商品とか、メーカーで選んでもらえるようになれたら最高です。

――音楽、ワンセグ、おサイフなど、今後最も期待できる機能というと?

Aさん
 当面は、ワンセグだろうと思います。日本のエンターテイメントとして地上波放送は幅広く定着していますし、タダで使えるところも大きいでしょう。テレビ以外では、フルブラウザに期待しています。ブログやSNSが文化として定着しそうですし、HSDPAやRev.Aで通信速度も上がり、表示がVGA化して、ハード面も実用域に入ります。パケット定額制も定着し、そろそろ使える条件が整うのではないでしょうか。

Bさん
 やはりワンセグだと思います。通信業界と放送業界の2大勢力がしのぎを削りながら新たなサービスを立ち上げていくことで、予想外や想定内の動きを超えたサプライズを巻き起こして行けると期待しています。

Cさん
 やっぱりワンセグでしょう。音楽もある程度行くでしょうが、現時点でiPodに敵わないですし、これに置き換わるのは難しいかと思います。おサイフは、手続きの面倒臭さがネックなので、これが簡単になれば可能性はあると思います。一番簡単かつ効用が大きいのはテレビでしょうね。ただ、カメラみたいなところまで行くか、というと微妙ですね。電池食いますからね。そういう意味で、電池は肝になるでしょう。

 あと、テレビじゃなくても、高速化が進むとリッチコンテンツがもっと流通するようになると思います。動画を見るシーンは増えてくると思いますから、これに伴う画面や使いやすさも重要になってくるのではないでしょうか。

(湯野 康隆)
2006/10/17


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