手間のかかるメールデータの引き継ぎ
auは元々、ケータイ時代から仕様を統一することが多いキャリアとして知られているけど、スマートフォンでも海外メーカーが参入しやすい環境を作るため、au側でアプリを提供するなど、ある程度、仕様を統一してきている。たとえば、「○△□@ezweb.ne.jp」のアドレスを使うEメールのアプリもそのひとつ。
今回、ボクはauのメイン端末をSHL21に機種変更したんだけど、実はこの機種、au標準のEメールアプリではなく、シャープ独自のメールアプリがプリインストールされている。シャープ製スマートフォンとしては、昨年の冬モデルのIS13SHまで独自メールアプリが採用されていて、今夏のISW16SHなどではau標準のEメールアプリがプリインストールされていたんだけど、再び独自メールアプリが復活した格好だ。
シャープ独自メールアプリは、EメールとSMS(Cメール)が統合されているなどの特徴があるんだけど、そのあたりの話はちょっと置いといて、機種変更時に困ったのがメールデータの引き継ぎ。メールアプリが同じならともかく、別のアプリなので、メールデータの引き継ぎがほとんど考慮されていない。何とかならないものかとネットを調べたり、いろいろと試してみたところ、やり方がわかったので、まとめてみた。
まず、従来の端末で、これまでに受信したメールをバックアップするんだけど、au標準メールアプリを起動し、メニューキーを押して、[Eメール設定]-[バックアップ・復元]-[バックアップ]の順にタップする。メールのフォルダの一覧画面が表示されるので、バックアップしたいフォルダにチェックをつけて、[OK]ボタンをタップ。これで送受信したメールがバックアップされるんだけど、バックアップしたファイルは本体メモリーの以下のフォルダに保存されている。
種類 | パス | ファイル名 |
未送信メール | /sdcard/PRIVATE/au/email/BU/DR/ | DR_(年月日時分秒).vmg |
受信メール | /sdcard/PRIVATE/au/email/BU/RE/ | RE_(年月日時分秒).vmg |
送信メール | /sdcard/PRIVATE/au/email/BU/SE/ | SE_(年月日時分秒).vmg |
バックアップしたファイルはバックアップした日付を含むファイル名が付けられている。複数のフォルダを選んだときはそれぞれ個別のファイルで保存されるので、受信メールをフォルダに分けているときは、ファイルサイズなどを見て、どのフォルダがどのファイルなのかを確認しておくと、あとの作業がやりやすい。
一方、SHL21のシャープ独自メールアプリはメールアプリそのものにバックアップのメニューがなく、本体の設定メニューに機能が統合されている。具体的には、[設定]-[microSDと端末容量]-[microSDバックアップ]-[読み込み]から操作するんだけど、バックアップ先は以下のフォルダが指定されている。
種類 | パス |
未送信メール | /sdcard/external_sd/PRIVATE/SHARP/BACKUP/MAIL/OUTBOX/ |
受信メール | /sdcard/external_sd/PRIVATE/SHARP/BACKUP/MAIL/INBOX/ |
送信メール | /sdcard/external_sd/PRIVATE/SHARP/BACKUP/MAIL/SENTBOX/ |
ちなみに、Androidスマートフォンを使いはじめたばかりの人がよく戸惑うんだけど、ファイラーアプリでフォルダを見たとき、ルートにある「sdcard」はその端末のメモリー全体を指す。Windowsで言えば、エクスプローラーを起動したときの[コンピューター]や[マイコンピュータ]というわけ。これに対し、本体に装着するmicroSDカードは「external_sd」というフォルダ名でマウントされている。
ということで、従来の端末でバックアップした「.vmg」の拡張子がついたファイルを本体メモリからmicroSDカードにコピーし、それをシャープ独自メールアプリで読み込めるフォルダにコピーする。ファイル名はそのままでかまわない。あとは[設定]-[microSDと端末容量]-[microSDバックアップ]-[読み込み]を選び、読み込みの画面で[受信メール]や[送信メール]にチェックを付け、読み込むファイルを選ぶ。[追加登録開始]と[上書き登録開始]をタップすれば、メールが読み込まれるんだけど、新しい端末ですでに受信したメールがあるときなどは[追加登録開始]で読み込む方が安全だ。
とまあ、こんな感じで無事にメールデータを移すことができたんだけど、正直なところを書いちゃうと、めんどくさい。独自のメールアプリをプリインストールしたシャープの意図は理解できるんだけど、それを採用するんだったら、auの標準メールアプリからメールデータを移行しやすくするアプリなどを用意するべきでしょう。同じことはau標準のEメールアプリにも言えて、アプリ内に[バックアップ・復元]のメニューは用意しているものの、買い換えた機種にもっと簡単にメールデータを移せる手段を提供して欲しい。特に、IS03発売から約2年が経ち、今後、スマートフォン同士の買い替えユーザーが増えてくることを考えれば、こういうところもしっかりとサポートするべきじゃないでしょうか。
ちなみに、NTTドコモはメールだけでなく、電話帳やブックマーク、通話履歴、ユーザー辞書など、さまざまなスマートフォン上のデータをmicroSDカードにバックアップし、復元ができる「SDカードバックアップ」というアプリを提供し、2012年冬モデルからは[ドコモバックアップ]のアプリと統合したものを提供している。スマートフォン間で機種変更したNTTドコモのユーザーは、試してみるといいかもしれません。
個人的に手書き入力ブーム再燃
「Note Anytime」(iPad版) |
iPad向けに登場した「Note Anytime」という手書きノートアプリの出来栄えが素晴らしいので、個人的に手書き入力ブームが再燃している。
筆者の場合、文書の校正作業が日課になっているのだが、取材や出張でオフィスにいないことも多く、オンラインストレージサービスとAdobe Readerなんかを組み合わせてスマートフォン上で校正を行うこともしばしばある。従来、iPadでは「GoodReader for iPad」を使うことが多かったが、至る所で小回りがきくNote Anytimeが登場してからは完全に後者に乗り換えた。
元々、GALAXY NoteなどでMetaMoJi製のアプリ「7notes」を使うことに慣れていたこともあり、校正作業以外では、手書きで取材メモを取ることも多い。現時点においては、Note Anytimeが使えるのはiPadとWindows 8のみとなっており、Android版の登場が待たれるところだ。
ISW16SHプリセットの「即メモ」ウィジェット内で手書き認識機能を利用 |
で、話を普段使いしているISW16SHに戻すと、実は、こちらにも手書き文字認識機能が搭載されている。実は、7notesやNote Anytimeで使用される手書き変換システムの「mazec」の文字認識部分には、フランスのVision Objects社のエンジンが使われているが、ISW16SHでもVision Objects社のエンジンが使われている。このため、7notesやNote Anytimeで利用できる「後から変換」には対応していないものの、漢字と仮名がまじった「交ぜ書き」にも対応しているし、都度変換についてはかなりの精度で行えるのだ。
まあ、フリック入力の方が片手でも行えるし、手書きするより早い場面も結構あるのだが、古くて新しい手書き入力の面白さと可能性を感じずにはいられないのだ。
G'zOne TYPE-Lを買いました
手に調度よく収まるサイズ、心地良い存在感を感じる重さがいい感じ。大好きな通知パネルを、端末を手の中で持ち替えることなく引き出せるのが嬉しいです |
10月中旬に行われたauの新製品発表会では使ってみたいモデルばかりで、次に購入する端末をどうしようかずっと悩んでいたのですが、今回は我ながら「キャラに合ってないよなあ」と思いつつも、「第一印象で決めてました」という感じで、結局あまり悩まず「G'zOne TYPE-L」(CAL21)を購入しました。
大画面が大好きだと公言していた自分が、なぜ4インチで解像度もごく標準的なG'zOneを選んだのかというと、手に持ったときすっぽり収まって手放せない気持ちになったからです。IT機器というより工具っぽいゴツいフォルムと、握りやすい程よい厚み、背面のワイルドな触感が、とても気に入りました。フィーチャーフォン時代の G'zOneも好感を持っていたものの、待受画面などのグラフィックがちょっと男のコっぽい印象だったので一歩引いてしまっていたのですが、今回はGショックっぽい時計だけでスッキリ大人っぽかったのも、抵抗感をあまり感じなかった理由かもしれません。
カシオの名が付く端末を使ったのは、フィーチャーフォンの「CA003」以来。NECカシオ製の端末を購入して使うのは初めてです。以前、少し長めにMEDIAS Xを使ったことがありますが、やはり基本的なUIは同じようです。まだ使い始めたばかりで、G'zOneらしさは外観からしか感じていないので、これからG'zOneならではの内蔵アプリを使ってみるのが楽しみです。ぜひアウトドアで大活躍してほしいのですが、編集者の方々からの「早く原稿書いてください」というプレッシャーが少々続く模様で、G'zOneとウキウキハイキング的なことは今はできそうもありません。
落ち着いたら、小高い山に行って新たに搭載された気圧センサーの見方をマスターしたいと思っているのですが、最近またまた運動不足。3キロメートルも走れないような体力になっているのですが、大丈夫でしょうか。やっぱり自宅で朝まで働きながら、日の出の時刻をチェックするくらいがいいのでしょうか。どなたか、雪が降り始める前に、私を高原に誘ってください。
ソウルで電波がつかめない?
ここ数年、急激に出張が増えているのが韓国。2大スマートフォンメーカーが君臨していることもあり、開発者取材などで、韓国・ソウルを訪れる機会が増えている。ちなみに、今年はすでに4回ほどソウルを訪れている。
羽田空港から金浦空港まで2時間ほどで行けてしまうので、とにかく気軽に出張できるという感覚がある。ほとんどの場合、1泊2日なので、もはや国内旅行感覚で、出張をこなせてしまう。
先日も1泊2日でソウルに行ってきた。現地の通信手段と言えば、金浦空港の手荷物受け取りカウンターを出てすぐのところにレンタルケータイカウンターがあるので、最近はそこで借りるようにしている。今回も、LGU+のLTE版ポータブルWi-Fiルーターを1泊2日で借りてきた。2日で1万4000ウォン程度なので、日本円にすると1000円程度。2日間、スマートフォンやパソコンを接続して、高速でネットが楽しめるので、コストパフォーマンスはかなり高い。国内キャリアのローミングの上限が1日2980円というのも割高に感じてしまうほどだ。
さて、ポータブルWi-Fiルーターを借り、ソウル市内で昼食を摂っていると、手元のiPhone 5が「圏外」になっていることに気がついた。大通りに面した窓側の席であり、電波が届いていないとは考えにくいのだが、念のため、電源をオフにして再起動してみた。しかし、まったく電波をつかもうとしない。機内モードに入れて復活させてもダメ。auのiPhone 5にはローミングの項目のなかに「グローバルCDMA」というメニューがあるのだが、それをオン・オフしてもダメ。何をやっても復活しない。困って、一緒に取材に来ていた某誌編集長に話してみると「確か、auのサイトに何か書いてありましたよ」とのこと。
早速、auのサイトを調べてみるも、情報はなかなか見つけられずじまい。困っていると、某誌編集長が該当ページを見つけてくれた。auのサイトの「国際サービス」という項目の「海外渡航前情報のお知らせ」という中に「韓国にてiPhone 5をご利用のお客様へ」というページがあったのだ。
それによれば、「韓国にてお使いのiPhone 5が圏外となった場合、LTEをオフにして手動でSK Telecomを選択してください」とのこと。LTEをオフにするのはなんとなく理解できるが、SK Telecomしかつなげないというのはさすがに気がつかない。
言われた通りにやってみたところ、あっという間にネットワークにつなげられた。
auでは11月1日から、海外ダブル定額対象の可否を知らせるSMSを配信してくれるようになったようだが、このような細かい情報も送ってくれるようにしてもらいたい。